タップシューズの加工(カスタマイズ)について

 

こんにちは、リーマンタッパーのケイです。

今回はタップダンサーの必需品タップシューズの”加工(カスタマイズ)”についてお話していこうと思います。

タップシューズの加工とは一体なんぞや、という方からタップシューズの加工で具体的に何がどう変わるのか知りたい方に向けて詳しく説明していきますね。

※今回説明する内容は加工を請け負っているタップシューズ専門店「BASEMENT」に準じています。

 

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◆タップシューズの加工(カスタマイズ)とは

タップシューズの加工というのは主には“音質”を変化させる為に行います。

タップダンスは靴裏に取り付けられたタップスという金属のチップを床に打ち付ける事で音を鳴らしますが、その音を自分好みの音質(高音寄り、低音寄りなど)に変化させる為にタップシューズを加工します。具体的にはタップスと靴の間に挟むプレートをアルミボードにして高音寄りの音にしたり、靴底のソールに追加で革を張り付けて重量感のある低音寄りの音に変えます。

加工内容によってはタップシューズの扱い易さなどにも影響してくるので、プロのタップダンサーは自分にとっての最高の一足を日々研究しています。

 

◆加工内容の解説

※以下の加工はBASEMENTで引き受けている内容になります。

●標準付け

靴底とタップスをネジで取り付ける標準的な取付け加工です。タップスとソールに僅かに隙間が出来るので、少し響くようなナチュラルなサウンドになります。また、タップスとソールの間に貼り付ける薄い板を黒ファイバーボードとアルミから選択できます。黒ボードは標準的なナチュラルなサウンド。アルミボードはやや高音寄りのサウンドとなります。

 

●密着付け

靴底とタップスの隙間を無くしてピッタリ取付ける加工です。隙間を無くす事で安定したタイトでクリアなサウンドになります。またピッタリと取付ける事でネジが緩みにくくなる為、耐久性も上がります。こちらもタップスとソールの間に貼り付ける薄い板を黒ファイバーボードとアルミボードから選択できます。黒ボードは標準的なナチュラルサウンドで、アルミボードはやや高音寄りのサウンドになります。

 

●ルースアタッチメント・ダイアンスタイル
靴底とタップスの間に敢えて隙間を作る事で音が重なる様な、カチャカチャといったよりクラシックで優しいサウンドになります。標準付けと密着付けに比べると取付け方が緩い為、耐久性は低くなるのでハードヒッターには向きません。またこの取付け方法はタップマスターの一人であるDianne Walker(ダイアン・ウォーカー)のリクエストにより開発され、ダイアンルースと呼ばれています。こちらもタップスとソールの間に貼り付ける薄い板を黒ファイバーボードとアルミボードから選択できます。黒ボードは標準的なナチュラルサウンドで、アルミボードはやや高音寄りのサウンドになります。

 

●段差調整黒ボード分掘り下げ

タップスとソールの間に挟むボードを黒ファイバーボードにした場合にタップスとソールの段差分を少なくする為の加工です。これにより特にヒールアップした時の接地面積が増えてより安定感が増します。

 

●ビルドアップ

ビルドアップ無し

ビルドアップあり(3mm)

タップシューズの靴底(アウトソール)に追加で革を貼り付ける加工です。より重量感のある音になります。こちらの加工は0.5mm単位で幅を選択することが可能です。2.0mm以上から選択でき、幅を大きくすることで重みのある音、低音寄りの音になります。また、革を張り付けるのでその厚さの分重量が増し、靴の扱い易さという面でも変化があります。ただ、扱い易さといっても個人差があるのでまずは音の好みで決めても良いかと思います。

 

●ビルドアップ延長
通常のビルドアップ加工は、つま先から土踏まずまでの前足部に革を張り付けます。その革をヒールブロック部まで延長するのがこちらの加工です。しかし、ビルドアップされる方のほとんどは延長はされていません。タップシューズ自体の剛性が高くなりますし、重くなりすぎてもタップシューズが扱いにくくなることもあるので、個人的には不要であると考えます。

 

●ヒールバランス

ヒールバランスあり

通常の状態ではヒールを鳴らす際に音抜けが生じます。簡単に言えば音が聞こえにくいです。このヒールバランスという加工はヒールブロックを削り、床に対して角度を付けます。これによりヒールを鳴らす際にヒールタップスが床にピッタリ付くようになり、ヒールの音が音がクリアに聞こえるようになります。必須といっても良い加工です。

 

●テーパードカット(トー部分)

テーパードカットあり

ビルドアップしソールに厚みを持たせてタップスを取り付けるとソールがタップスより大きくなる場合があります。この状態だとステップによっては音が出ない等といった事が起きます。例えばトータップス同士を当ててパチッと音を鳴らすステップやタップスの側面(エッジ)で床を擦るステップなどの時にソールの側面がぶつかってしまいます。この加工ではソール側面をタップスの大きさに合わせて削ります。ビルドアップされる方のほぼ全員がこの加工を依頼しています。

 

●ヒール削り合わせ(ヒール部分)

ヒール削り合わせ無し

ヒール削り合わせあり

テーパードカットはトー部分に適用される加工でヒール部分についてはこちらの加工となります。タップスの大きさに合わせてヒールブロックの側面を削ります。こちらもビルドアップされる方のほぼ全員がこの加工を依頼しています。

 

●マッケイ縫い補強

K360であれば靴裏に、施されている縫いがあります。これはソールと靴が剥がれないように施されているものですが、ビルドアップする際は新たに追加した革が剥がれないように補強する加工です。こちらもビルドアップされる方のほとんどの方が加工を依頼しています。

 

●ブラックソール
靴底のアウトソールは通常、革本来の茶色(ナチュラル)です。そのため、靴裏も黒く染めたい場合にこちらの加工を選択します。

 

●ネジ弛み防止ステンレス埋め込み加工
通常タップスはネジで取り付けられているだけなので、使用していると徐々にネジ穴がゆがんでたり、ネジが緩んできます。普通に使用している程度であればそこまですぐにダメになる事はないですが、長く使用したい方や気になる方はこちらの加工を依頼しているようです。(私は依頼したことはありません)ちなみにタップス取付け加工で“密着付け”を選択している方はこちらの加工を施さずとも十分に耐久性があるので不要であると考えますし、実際にBASEMENTの店員さんにも無くても良いと聞きました。

 

●滑り止め

タップシューズの靴裏に張り付ける滑り止めで、既製品に標準装備されている事もあります。こちらの加工ではピラミッドとTOPYの2種類から選択できます。滑り止めについては無しでも良いと思いますが、フロアによっては滑りやすい場合があるので、通われているスタジオの環境に合わせて選択するのが良いかと思います。ちなみにK360(タップシューズ)を使っている方で滑り止めを付けてるのは見たことがありません。

 

●レザー(段差調整)
ビルドアップしないタップシューズにおいて、タップスとソールの段差を少なくする為に薄いレザーをソールに張り付ける加工です。タップスとソールの段差を少なくする事で特にヒールアップしている時などで接地面が増えるので安定感が増します。

 

●カラーオーダー(K360購入時別注にて)

K360(タップシューズ)の靴の色は通常は黒、白、白黒コンビの3色から選択しますが、別注でカラーオーダーする事も出来ます。色はサンプルから選択して決めることができ、素材も通常の革以外にスエードやエナメルなどもあります。ちなみにカラーオーダーは既成の靴に色を塗装するものではなく、アメリカにあるカペジオの工場で一から作られる為、完成までに約3か月ほど時間が掛かります。

 

◆注文までの流れ

加工内容が決まったらBASEMENTにタップシューズを持っていき、スタッフの方と最終的な加工内容の確認後、注文となります。加工内容にもなりますが、通常3週間程度で仕上がります。実際に店舗に行けない方でも対応して下さるので電話して確認してみてください。スタッフの方が丁寧に対応してくれます。

 

◆タップシューズの加工例

実際にタップシューズを加工した時の注文書がこちらです。

・K360タップシューズ  \38,880
・カラー1色  \9,720
・タップス一足分  \3,888
・タップス取付:前後密着付け・黒ボード  \3,780
・ヒール削り合わせ  \1,080(ビルドアップ付帯加工料金)
・ビルドアップ(トー・ヒール:6.0mm)  \8,640
・マッケイ縫い補強  \1,080(ビルドアップ付帯加工料金)
・ヒールバランス  \0(ビルドアップ付帯加工料金)
・テーパードカット  \0(ビルドアップ付帯加工料金)
・段差調整:なし  \0

タップシューズ+タップス料金  \52,488
加工料金  \14,580
合計金額  \67,068

これはタップシューズK360を購入し、併せて加工もお願いした際のものです。既製品の白・黒・白黒コンビ以外のカラーを選択したので、別注品となりアメリカの工場で一から作られます。その為、タップシューズが出来上がるのに3、4ヵ月掛かり、その後BASEMENTから加工依頼をかけ注文時から数えてトータルで4~5ヵ月で手元に届くことになります。

 

◆TV和風総本家で紹介された靴職人の“業”

BASEMENTでタップシューズの加工依頼をかけた場合、タップシューズは靴職人の元に送られ、注文書に基づいて加工が行われます。
実際にタップシューズをどのように加工しているかを知っている方は少なかったのですが、その様子をテレビ東京「和風総本家」で放送していましたので紹介させて頂きます。

 

(44:41~始まります)

※リンク切れになる場合もあるので、お早めにご視聴ください。

 

◆まとめ

いかがでしたでしょうか。タップシューズの加工内容によって全然違ったタップシューズに生まれ変わります。音にこだわるプロのタップダンサーは楽曲や表現したいニュアンスによってタップシューズを変えたりしているんです。

また、和風総本家でも紹介があったように、タップシューズの加工は靴職人の丁寧な作業によるものです。
タップシューズもそうですが全てがハンドメイドですので、長く使えるようにタップシューズを大切に扱いたいですね。

 

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